おうち時間何して過ごそうかなとお悩みの方、これを機に読書を始めてみませんか?このブログでは読書初心者でも読みやすい入門編となる本を作家別に紹介しています。
こんな人におススメ!
- 最近読書を始めて色々な作家さんにチャレンジしてみたい
- 1冊読んではまらなかったら時間の無駄になるかなと読むことを躊躇している
- 哲学的な小説も読んでみたい
今回は『伊坂幸太郎』作品をご紹介します!
伊坂幸太郎の作風って?
伊坂幸太郎さんは私が小説にのめりこむきっかけになった作家さんのひとりです。
それまで、物語の起伏がはっきりしているミステリー系やホラー系を読んでいた女子高生(どんだけ暗い奴や!ってのは置いておいて。笑)は大学生になり、新しい作家さんに挑戦しようと色々なものに手を出してみました。
村上春樹なんて読めたらかっこいいじゃ~ん!と「ノルウェイの森」に手を出すも上・下とあるうち上の序盤で挫折…。本は家で埃を被ることに。。哲学的な難しい小説なんて私には無理なんだと思って、あともう1冊だけ頑張って挑んでみようと手に取ったのが「重力ピエロ」でした。伊坂幸太郎さんはこの作品がきっかけで多くの方に認識されたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
伊坂幸太郎作品の魅力は、
- 心に残る強烈な一節がある
- 文学的な表現がライトに盛り込まれている
- 非現実的な設定だけどすぐイメージが掴め引き込まれる
の3点です。
みなさんは、本を読むことに何を求め、何を得たいと思っていますか?
新しい知識や気付きを得ることは読書をするメリットの一つです。
伊坂幸太郎作品は、「何を目的に自分は生きているのか」「なぜ人は人を殺してはいけないのか」など普段考えることがない問いを投げかけられます。ある一節ではっとさせられ、文学的な表現をされた登場人物の言動や立ち振る舞いをよく読むと突如一貫性が生まれます。そこで、作者としての問いに対する考えが浮かび上がってくるのです。どの作品も読み終わった後は、気持ちよさもあり悲しさもあり虚しさもあり、、、とにかく感情が複雑になります!笑
作品では「死神」や「殺し屋」や「主人公が念じれば、それを相手が必ず口に出す」など非現実的な設定が多くあります。不思議と自然と設定が入ってきて物語に引き込まれ、抵抗なく読み進めていくことができます。
是非”伊坂ワールド”を楽しんでください。
おすすめ作品3選
死神の精度
あらすじ
①CDショップに入りびたり②苗字が町の市の名前であり③受け答えが微妙にずれていて④素手で他人に触ろうとしないーーーそんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
おすすめポイント
伊坂幸太郎さんにはまった作品のひとつです。主人公は死神という非現実的な存在ですが、人間味があって憎めないキャラクターです。短編あるあるなんですが、各章で登場人物が重なりあいます。ただこの作品は、時系列がばらばらで本題前後どちらのパターンもあるので、もう一度その章を読みたくなります。
作品は死神シリーズで、もう一つ「死神の浮力」があります。娘が残虐に殺された小説家の話なので設定が重いな…と感じる方もいると思うのですが、最後には不思議と前向きになれるお話なのでこちらも是非読んでみてほしいです。
マリアビートル
あらすじ
幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天童虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯するーーー。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテインメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
おすすめポイント
この作品は、殺し屋シリーズの二つ目の作品です。
- グラスホッパー
- マリアビートル
- AX
3作品とも面白いのですが、今回は「マリアビートル」をおすすめします。
(是非グラスホッパーを読んでから楽しんでいただきたいです。)
物語に舞台は、ほぼ走行中の東北新幹線(東京ー盛岡間)です。あらすじにもある通り様々な登場人物がそれぞれの目的で列車に乗るのですが、上手く絡み合い最後まで密室間あるスリリングな展開が続きます。
キーパーソンは「王子」です。この物語が伝えたいメッセージは彼周辺にあるのかなと思います。まさに”悪魔のような心を持つ少年”ですが、本書はその人間性を真っ向から否定するわけでなく、絶妙な落としどころで物語が紡がれています。
文庫本約600ページの長編ですが、休日1日をこの本に注いでも後悔させない自信があります!
ブラッド・ピット主演で映画化が決まりました!!「ブレット・トレイン」の邦題で2022年夏公開です。予告編がつい先日公開されました。ジャパンテイストも含まれていてとても楽しみです。
終末のフール
あらすじ
8年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
おすすめポイント
8つの短編からなる小説です。漠然と感じる「死」が8年後に迫った時、人はどのように考え行動し生きていくのか。明日とか数日後でなく”8年後”というのがポイント。作品の中でとにかく好きな一節があります。「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」。キックボクサーが主人公の章で、周りが慌てふためく中淡々とトレーニングを続けていくお話です。読み手が今どう感じどう生きているか考えさせられる1冊です。
他の作家さんにもチャレンジしてみよう!
作家さんによって作風・世界観は全く違います。是非色々な作品を通して、異次元旅行を楽しんでください!
他の作家さんの初心者向け3選をまとめた記事もあるので、是非ご覧ください。
まとめ
伊坂ワールドは、はまれば「次の作品…!次の作品…!」と止まらなくなるほど中毒性があります。(実際私はそうなり読み漁りました!)ただ、中には虐待や虐殺など読み進めるのが辛くなる設定の作品もあるので、比較的読みやすい3冊を選んでみました。
重々しい設定な分メッセージ性の強さも比例するので、気になった方は是非他の作品も読んでみてください。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
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